スピードアップ理論(セミナービデオ)
1-1. 速く泳ぐために良かれと思ってやらかすこと
速く泳ぐために、次のようなことを普通は行います。
ところがスピードが速くなるどころか、遅くなることが多いのです。
それはなぜでしょうか。
良かれと思ってやったことが、スピードアップにつながらない理由について説明します。
1-2. スピードアップの本質
平均速度を上げる=面積を増やす
クロールの速度はこのグラフのように変化します。右手の動き、左手の動きそれぞれに速度が上がるところ、下がるところがあります。
スピードアップというのは瞬間的な速度を上げることではなく、平均速度を上げることです。
そして平均速度を上げるというのは、このグラフの面積を増やすことだと考えると、スピードアップの具体的な取り組み方が見えてきます。
ところが普通はそうは考えずに、ピーク速度を上げようとしたり、ストローク数を増やそうとしたりして、スピードを上げようとするのです。
1-3. スピードアップを実現する賢いアプローチ
スピードアップするためには、面積を増やせばよいわけです。
ここでは面積を増やすための、3つの賢い方法について説明します。
一つ目は、速度が下がっている部分に注目して、下がり具合をゆるやかにするという「減速を抑える」アプローチです。
グラフのへこんでいる部分を浅くすれば、面積は増えますね。
また減速が小さいので、次の加速に必要なエネルギーも少なくてすみます。
二つ目は、ピーク速度に達するまでの傾きを急にして、面積を大きくするアプローチです。
これは加速を上げることを意味します。
より短い時間でピーク速度に達するために、手の動きを素早く行います。
三つ目は、特に長距離においてですが、「山の高さを保つ」アプローチです。
これは劣化を抑えることを意味します。
これまでの経験では、1500mを泳ぐ場合、最初の50mに比べて平均の速度は10%から20%遅くなります。このため劣化を抑えるだけで、スピードアップすることができます。